T-cophony 『Pressed for time』

Disc盤では通産8作(タイトル)目となる今作はT-cophonyファンの誰もが待ち望んだであろう「アコースティックギターサウンド」を前面に押し出した作品となっている。

疾走感のあるビートに、時に荒々しくも繊細で透き通ったアコギの音色、そしてどこか切なく哀愁漂うメロディライン。
いち早くピックアップ・チューンとして公開されている"Never trust anyone"のミュージックビデオからも分かるように唯一無二の未来系アコギインストは更に進化している。
「無理やりアイデアを絞り出す事なく、自然なペースで制作出来た」と言うアルバムだけに全体のバランスも非常に良い。

今回実はリリースの半年以上前から1曲完成する度に、サンプルがYouTubeやフェイスブック上で公開され、ファンの多くが順を追ってアルバムの完成までを知る事ができ、関連した動画は既に高い人気を得ていた。

今作では「時の早さ」がアルバムコンセプトとなっており、現実の1週間の流れを1年間(四季)に重ねたイメージに仕上げているとのこと。
ダブルネックギター特有の広がりのあるサウンドが心地よい"Portrait"から、ピアノとの調和が美しく、それでいてツー・バスを用いた激しいサウンドが異彩を放つ人気曲"9 breeze"、タイトル通り、シトシト降り続く雨の光景が目に浮かぶ"Continuous rain"、和の雰囲気漂う"Historic site"や、情感溢れる切ないメロディに爽快なリズムが印象的な"Friday"などバラエティに富んだ楽曲が満載だ。

そして、何と言っても今作のハイライトとも言える"The ephemeral joys"ではギター弦をかき鳴らしたスクラッチサウンドから、うねる様な超絶タッピングプレイ、力強くもありながら、どこか病的で儚さも感じる雰囲気等、これぞT-cophonyと言った独特の世界観を存分に堪能出来るだろう。

また、前作"Load before departure"に引き続き、今作もギターサウンドなしの壮大で美しいアンビエント作品が収録されており(10,20,22曲目)、より一層このアルバムを引き立てている。
これまで同様、作曲は勿論、全ての楽器パート、ミックスからマスタリング、そしてアルバムのアートワークに至るまでT-cophony自身が一人でこなしている。

尚、今作では珍しくエレキギター・メインの楽曲が1曲も収録されていない。

【曲目】
01. Monday
02. Never trust anyone
03. Mint taste
04. Collector
05. Better not to know
06. Portrait
07. Forelock
08. 9 breeze
09. Autumn street version2
10. Empty street
11. Fidgeting
12. New encounter part2
13. Blinking notifications
14. The ephemeral joys
15. Continuous rain
16. Lost humanity
17. Past links
18. Historic site
19. Friday
20. Freezing cold night
21. My own Sunday
22. Oblivion (Empty street version2)
23. The season (harp version)

【アルバム予告】


【演奏動画】









【関連リンク】
T-cophony official site
型番 TCCD-0005
販売価格 2,300円(税込2,530円)
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